強化体制などを巡って、理事の総辞職が決まっている全日本テコンドー協会の問題で、外部有識者による検証委員会は金原昇会長(65)を新理事に推薦しないことを決めた。検証委員会は27日、都内で金原会長に面談し、その意向を伝えた。

検証委員会の委員長である境田弁護士は「コンプライアンス上、問題はない。しかし、世間で注目をされ、混乱が集束する見込みが立たない、体制を改めないとテコンドーの発展が見込めない」と理由を説明した。

その決定を金原会長も受け入れる認識を示した。会長の職を退くことになった金原会長は「(異論は)一切ございません。未来に向かって、パリ、ロス五輪と続いていく。常識ある会話、双方を尊重する人間関係を持っていけば、テコンドーの非常にいい未来が開けるのではないか。私の立ち位置でできる範囲で十分に協力をしていきたい。未来へのいい架け橋と思っている」と話した。新理事は今後、理事会、正会員総会を経て、正式に決定する。また金原会長は「私が再任する再任しないは大きな問題ではない。私が残る残らないはまったく小さな問題です」と強調し、テコンドーの発展を願った。

同協会を巡っては、集まる意味の薄い強化合宿に年間100万円の自腹参加を求められ、参加を辞退した場合は「強化選手から外します」と指摘されるなどの事態もあって、選手と協会側の溝は深まるばかりになっている。金原会長は協会の運営責任を問われており、また本人は否定するも、一部では反社会的勢力との関わりを報じられていた。混乱が続き、契約を解消するスポンサーも出ていた。