男子テニスで世界13位の錦織圭(29=日清食品)が、新コーチとともに改良に乗り出す。30日、自身のSNSで、新コーチに元ダブルス世界1位のマックス・ミルヌイ氏(42=ベラルーシ)が就任すると発表した。ミルヌイ氏は、全仏4度、全米2度のダブルス優勝があり、シングルスでも02年全米で8強。翌年の03年にはシングルスで自己最高の18位となった。

「Beast(野獣)」の愛称どおりに、195センチの長身から放たれる強力なサーブと、相手に襲いかかるようなネットプレーが武器。錦織は「彼ほどの攻撃はしないまでも、サーブとネットプレーは改良して取り入れたい」と、課題克服のために新コーチを選んだ理由を明かした。事実、右肘のけがもあり、この機会に「フォームや体の使い方を少し変える」と、サーブはスピードも出て、肘にも負荷のかからないフォームやグリップに変更する予定だ。

ミルヌイ氏は14歳の時から、錦織と同じ米フロリダにあるIMGアカデミーを拠点としている。18年まで、ダブルスで現役だったこともあり、ヒッティングの相手としても十分な実力を持つ。また、今年のウィンブルドンのジュニアで、日本男子初の4大大会ジュニアに優勝した望月慎太郎のアドバイザーでもある。

錦織は10月に、9年間、指導を受けてきたダンテ・ボティーニ氏とコーチ契約を解消。新コーチを探していた。ボティーニ氏とともに13年から錦織を指導してきたマイケル・チャン氏(米国)はコーチに残る。ただ、あくまでフルタイムでのコーチはミルヌイ氏になる。

また、同月22日に、全仏から痛めていた右肘を手術。現在は、スポンジボールを打つリハビリを続けている。復帰は、12月26日から始まる非公式戦ハワイオープンで、公式戦では20年1月3日開幕の国別団体戦ATPカップ(パースほか)に出場予定だ。

◆マックス・ミルヌイ(Max Mirnyi)(ベラルーシ)1977年7月6日、ベラルーシ・ミンスク生まれ。6歳でテニスを始め、92年に米フロリダのIMGアカデミーに移住。97年に上海でツアーのダブルスに初優勝。それ以来、全仏、全米を含むダブルス52回の優勝を誇る。シングルスでも03年ロッテルダムで優勝。12年ロンドン五輪では母国ベラルーシの旗手を務め、同五輪混合ダブルスで金メダルを獲得した。195センチ、93キロ。