「自転車封印」で東京オリンピック(五輪)表彰台へ-。男子高飛び込みの新星、中学1年生の玉井陸斗(13=JSS宝塚)が4日、私生活における自己管理の方法を明かした。

金沢市内で行われている日本代表合宿に参加。日本男子五輪最年少13歳10カ月で迎える来年の大舞台へ「球技、自転車、スケボーはしないようにしている」とあどけない表情で笑った。

兵庫・宝塚市の高司中に入学した4月、シニア初戦の日本室内選手権で史上最年少優勝。世界で戦う意識が高まり、同年代の必需品を封印した。遊びに出かける際は、自転車に乗る友人を横目に「荷物を持ってもらって、自分は走っている」。不用意な転倒を避けるため、1~2キロを平然と走る。指令を出した馬淵コーチは「手は飛び込みで最後の技。指の捻挫でも入水がパーになる」と説明した。

来年2月の国際大会派遣選手選考会で上位2人となり、4月のワールドカップ(W杯)東京大会で18位以内に入れば五輪代表に内定。1932年ロサンゼルス五輪競泳金メダルの北村久寿雄(14歳10カ月)を抜く最年少記録となる。身長147センチの少年は「全ての種目を決めれば、メダル争いもできなくはない」。87年前の偉人に負けじと強い志で進む。【松本航】

◆玉井陸斗◆ たまい・りくと。2006年(平18)9月11日、兵庫・宝塚市生まれ。3歳の時にJSS宝塚で競泳、小1から飛び込みを始める。小5からは、現在6度目の五輪を内定させている寺内健らと練習。食べ物は牛タンの焼き肉が大好きで、パクチーが苦手。147センチ、41キロ