体操男子の期待のホープ、橋本大輝(18=市船橋高)が、東京五輪での目標に個人総合での金メダルを据えた。4日、千葉県内の高校で練習に参加。「本気で目指すということです」と、色紙に20年の目標を「金」と1文字書いた。「チャンスはある」と柔らかい顔に、視線は鋭かった。

10月の世界選手権では団体銅メダルに貢献し、種目別は2種目で決勝に。日本の新たな才能として、衝撃を残した。11月には国内の個人総合最強を決めるスーパーファイナル(SF)も制覇。急成長の視線をより高みに置かせたのは、その直後の恩師との会話。神田総監督から「金メダル目指せよ」と諭され、一気にビジョンが具体的になった。

若者の無邪気な夢ではない。根拠がある。SFでは35・0点だった技の難度を示すDスコアを「最低限で36・6にする」。世界選手権を制したナゴルニー(ロシア)が36・4点で、それを上回る。この3週間ほどで床運動で投入する新技、G難度「リ・ジョンソン」(後方抱え込み2回宙返り3回ひねり)を習得するなど、「全部が出来たら37・2」と他種目も見やる。

最速で3月からのW杯で代表に決まる可能性がある。「上の世代を刺激していきたい」と団体でも金が目標。“本気”になった五輪イヤーが始まった。【阿部健吾】