初の高校日本一に王手をかけた御所実(奈良)の竹田寛行監督(59)が、帰り際に言葉をかけられた。

敗れた常翔学園の野上友一監督(61)に呼び止められ「頑張ってや。必ず優勝してや!」と肩をたたかれた。大阪勢は5大会ぶりに決勝進出を逃し、関西勢最後の砦(とりで)になった。

準々決勝(3日)で東海大大阪仰星、この日は常翔学園と、優勝経験のある大阪勢を破って決勝までたどり着いた竹田監督は「まぐれでした」とボソリと漏らした。続けて「常翔のような大きな体を倒すには、(タックルは)下に入らないといけない。1人が2つ3つの仕事をして、初めて試合が成り立つと思っていました」と試合を振り返った。

スクラムでは圧倒されたが、同監督は「たぶん100%やられると思っていた。あんな大きな体に勝負(を挑むこと)はなかった」。そのスクラムを起点に、今大会で初めてトライを許した。それでも、ここまで4試合10失点と堅守が持ち味。7日の桐蔭学園(神奈川)との決勝戦に向け、同監督は「まだまだ修正しないといけない」。悲願の優勝へ、気を引き締めた。