19年ワールドカップ(W杯)日本代表で来季にフランス1部トップ14のASMクレルモン・オーヴェルニュに移籍するサントリーのFB松島幸太朗(26)が、今季初トライを決めた。

後半20分、自陣10メートルライン付近から自分でカウンターを仕掛け、フランカー小沢直輝(31)へのオフロードパスでビッグゲインを奪った後、右中間ゴール前20メートル付近でパスを受けた。「あそこは勝負と思った」。前にいた相手数人の足をステップで止め、右前方に加速した。4、5人を振り切る形でインゴールに飛び込んだ。

初トライを許して19-7と追い上げられた直後の1本だった。「100%、自分の仕事をしようと思った」と言う。やっと決めたトライに「やっとですね」。仲間が決めた3本のトライも、自分が仕掛けたカウンターから生まれた。

移籍発表後初の試合。チームのスタッフ、仲間の「ほとんどが“おめでとう”と言ってくれた。その気持ちがすごくうれしかった」。東京オリンピック(五輪)7人制代表を目指す選択肢もあった。「非常に難しい選択だったけど、海外に行くタイミングは今しかないと思った」。長年温めた海外志向。フランスを選んだ理由を「(ASMクレルモン・オーヴェルニュシンプルが)シンプルに自分を求めてくれた。選ぶのは簡単じゃなかったけど、その熱意が重要でした」と説明する。

だが、移籍前に大きな目標がある。サントリーで2シーズンぶりのV奪回。東芝、神戸製鋼に敗れ、開幕3試合を1勝2敗。リーグ10位でこの日を迎えた。松島は「まずサントリーで優勝すること。(3トライ以上差の)ボーナスポイント(1点)をとっていかないといけない状況で、今日は(勝ち点4と合わせて)5点とれた。優勝争いに加わっていきたい」と話した。