昨夏ユニバーシアード代表の須山晴貴(21=島根大)が、痛恨の0点から巻き返して8日の決勝に進出した。予選トップで迎えた準決勝で難易度の高い種目を6本並べてチャレンジ。1本目は74・40点でトップタイ。しかし迎えた2本目で落とし穴が待っていた。

演技に入る直前の勢いをつけるジャンプでバランスを崩して、板の右端に足をついた。両手で板の端を持ってもちこたえようとしたが、支えきれず。そのままちゃぽんと水面に落下。痛すぎる0点となった。

「右側にずれて…。1度リセットしようと思ったけど。ここで終わるのかなと思って焦った」。

競技に集中するために昨秋から大学を休学。「飛び込み1本という自分なりのけじめ。支援してくれる方や家族にも迷惑をかけている」。なみなみならぬ思いで臨んだ選考会で、あまりにも痛すぎる0点だった。

ただ3本目から何とか持ち直した。持ち前の高難度の技を決めて、右肩上がりに順位を上げた。370・55点で18人中6位。上位12人の決勝に残った。予選の441・80点から71・05点も得点を落としたが、東京五輪への道はつながった。

須山は昨年4月、日本室内選手権ではトップで迎えた最後の6本目に失敗。寺内、坂井に抜かれて、世界選手権代表を逃している。「メンタルトレーニングとかめちゃめちゃやってるんですけどね。呼吸法とか、カウンセリングとか。気持ちが入りすぎたり、前の人の演技が気になる。弱点ですかね」とポツリ。8日の決勝に向けて「やっぱりそこを乗り越えることが課題かな」と反省していた。