秋田ノーザンハピネッツ(東地区5位)が、逆転で西地区首位の琉球ゴールデンキングスを撃破した。第1クオーター(Q)は、敗れた前日15日の初戦同様、リバウンドに苦しみ13-27と大きくリードを許したが、次第にインテンシティ(強度)の高い守備が機能。54-54の同点で迎えた第4Qには、ポイントガード(PG)中山拓哉(25)が3度のスチールからいずれも得点につなげるなど、昨季のスチール王が大暴れ。3ポイント3本、7アシスト、リバウンド5本と引っ張った。

中山は昨年12月の宇都宮戦で右手親指の開放骨折、爪脱臼の重傷を負った。不在の間はチームも2勝7敗と低迷。1月15日千葉戦で復帰も、「ボールをうまく扱えず、今までできたことがでなかった」と苦しんだ。この日のMVPに選ばれ「思うようなプレーができず葛藤があったけど、勝利に貢献できて良かった」と笑みがはじけた。

前日はリバウンドで競り負け、「恥ずかしい試合」と嘆いた前田ヘッドコーチも「諦めずによく勝ち切れた。集中が切れそうになったけど、ブースターと一緒に勝ち取った勝利」と選手をたたえるとともに、ホームの大声援に感謝した。

強豪ひしめく東地区で18勝21敗の5位と苦しい戦いが続く。残り21試合。前日に続きチーム最多得点のキーナンは「チャンピオンシップに向けて勝利を重ねていきたい」。中山も「自分たちのプレーをすれば、今日のように強い相手にも勝てると思う」と自信を胸に、終盤戦に向かう。【野上伸悟】