日本がザ・スプリング・リーグ(TSL)選抜に16-36で敗れた。FGで先制したものの、パスとランでTDを奪われて3-13の折り返し。後半も2TDを追加されたが、QB高木(富士通)からWR近江(パナソニック)へのパスで初TD。RB藤本(同)もランTDと追い上げたが、セーフティーにTDパスを許し、16-36での敗戦となった。TSLはNFLなどにプロ選手を送り込むための育成とスカウトのためのリーグ。経験者も含むNFL予備軍の前に力及ばなかった。

出だしはよかった。パントブロックからFGで3点を先制した。守備でもインターセプトをマークしたが、QB石井(LIXIL)がインターセプトされ、3本をパスを決められて逆転を許す。さらにランドライブからTDを追加された。後半も早々にパスとランでTDを奪われ、3-27とリードは広がった。

直後の攻撃でようやく見せ場を作った。近江へのパスに続き、スペシャルプレーで西村(オービック)へのパスも決まる。最後は近江への21ヤードパスで鮮やかにTDを決めた。次の攻撃もパスよくドライブして、最後は藤本が7ヤードを走りきり、16-27と追い上げた。

返しの守備で攻め込まれたが、インターセプトで得点は阻止も、ゴール前の攻撃となる。高木がQBサックを浴びてエンドゾーンで倒れ、セーフティーで2点を献上。パントブロックで敵陣でのチャンスをつかむも、高木がQBサックを浴びてフェンブルロスト。ここからTDパスでとどめを刺された。

日本代表の招集は15年の世界選手権2位以来で、強化の継続、米国と交流でレベルアップ狙いの試合だった。TSLのQBメッテンバーガーはテネシーなどでNFL公式戦に10試合出場。この試合でも2TDパスに1TDランを挙げた。過去の経験者は数人も、NFLやカナディアンフットボールリーグ(CFL)入りを目指してアピールを狙う選手が相手だった。

日本代表は19年まで富士通をV3に導いた藤田ヘッドコーチを中心に、Xリーグ各チームの監督やヘッドコーチがスタッフ入り。1試合限定の親善試合ながら、7日間の強化練習もこなした。45人の代表選手もV4を果たした富士通から最多15人を中心に、必勝を期して臨んだ決戦だった。

TSLは選抜だけに精度を欠いたが、サイズ、パワー、スピード、テクニックと、いずれも徐々に地力の違いが出た。派手さはなくても、タックルをはね返すラン、相手を押し込む攻守ライン、攻守で球際への執着と、本場の壁はまだ厚かった。