B1新潟アルビレックスBBは、新型コロナウイルスの影響で14日から4月1日までの無観客試合が決定して一夜明けた12日、再開戦となる琉球戦(14、15日・アオーレ長岡)に向けた練習を中之島体育館で行った。チーム最年長のPG五十嵐圭(39)にとっても初体験の無観客試合。会場に来られないファンに勝利を伝えることを誓った。

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五十嵐は、あらためて琉球戦に照準を合わせた。無観客での再開。「リーグが決めたこと。選手は従ってやるだけ」。2月16日のA東京戦から約1カ月空いた。試合勘に不安がないわけではない。「オフェンスのリズムが作れるように、自分がボールに絡んでいく」。中断の間、実戦形式の練習をこなしながらチームメートのプレーを確認し直した。

旧JBL時代から数えて17シーズン目の選手生活で初の無観客試合。常に後押ししてくれているファンの声援がない。「非公開の練習試合のような感じかな」。ただ、そんな戸惑い以上に試合ができることを「自分たちにとっては大きい」とプラスにとらえる。新潟は現在中地区4位。チャンピオンシップ進出圏の地区2位三河とは4ゲーム差。一方、全体順位は18チーム中15位でB1残留プレーオフに回る全体の下位4チームに入っている。試合ができることは順位を上げる機会が巡ってきたことでもある。

今後、状況が悪化すればリーグ戦中止にもなりかねない。11日の会見で大河正明チェアマン(61)は「中止の時はその時点の勝率が順位になる」と見込みを話した。「目の前の試合を確実に勝たないと」。五十嵐は1試合1試合が大勝負になることをあらためて感じた。

庄司和広監督(45)は「お客さんが作ってくれていた空気を、自分たちが作らなければ。試合の入りが大切」と琉球戦のポイントを話した。「無料動画配信などで見てくれる人もいると思う。一体になって戦いたい」。会場に入れないファンの思いを、五十嵐は力に変える。【斎藤慎一郎】

○…主将のPF鵜沢潤(38)は「複雑だが、今の順位を抜け出すチャンス」と五十嵐と同じように無観客開催に前向きだった。中断期間で個人のスキルアップ、チームの結束を図ってきた。試合ができることでモチベーションも高まる。「中断期間で成長した姿を見せたい。強い念を送ってください」とファンへメッセージを送った。