バスケットボールのB1秋田ノーザンハピネッツ(東地区5位)にとって絶対に負けられない2連戦が始まる。新型コロナウイルスの影響で2月28日からリーグ戦は中断していたが、今日14日から無観客で再開。アウェーSR渋谷(同4位)と連戦を迎える。秋田と同チームは現在8ゲーム差。苦しい状況だが、直接対決は残り6試合ある。順位逆転、目標のチャンピオンシップ(CS)進出へ「打倒渋谷」を合言葉に戦う。

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秋田はここから進撃する。60試合行うリーグ戦は約3分の2を終え、18勝21敗と負け越しているが、ワイルドカード2位以内でのCS出場へ白星を積み重ねる。立ちはだかるのは天皇杯王者のSR渋谷だ。CS圏内のワイルドカード2位に位置し、B1の18チームで平均得点1位、3点シュート成功数2位、オフェンスリバウンド数1位と圧倒的な攻撃力を誇る。それでも秋田の持ち味である激しい守備から好機をうかがう。

頼れる男がいる。16-17シーズンに栃木(現宇都宮)でBリーグ初代王者を経験。さらに、CSファイナルMVPにも輝いた古川孝敏(32)は「(SR渋谷は)早いテンポで持ってくるし、当たり前ですけど、リズムをつくらせないために自分たちのアグレッシブなディフェンスをぶつけたい」。強豪琉球でも活躍したベテランは、若いチームに勝者のDNAを植えつけ先導する。

2連戦に向けて「激しく戦いながらやれる部分は多いですけど、それを逆手に取られてやられる場面もあるので、もう少しスマートに堅く戦えればとも思います」。無観客での一戦。クレイジーピンクはホームでもアウェーでも、大声援で選手を後押ししてきた。「(無観客は)やったことがないので、ちょっと不思議な感じだと思いますけど、やることは変わらないですし、準備してきたものをコートの中で出したいです」と静かに闘志を燃やす。

過去に所属した宇都宮、琉球も秋田同様に熱いブースターで有名だ。「自分たちの背中を押してくれる空気や一体感をつくり出してくれますし、あの中でプレーできることに感謝してました。みなさんと一緒に戦えないのは残念というか悲しいですけど、元気を与えられるようなプレーをしたいと思います」。画面越しに見守るブースターに勝利を届ける。【山田愛斗】

▽秋田前田HC(残り21試合)「厳しいカードが多いが、自分たちがどれぐらいチャレンジできるかを含めて大事な終盤戦。ブースターの人たちと一緒に会場で戦えればベストだったが、こういう状況の中、止まるわけにはいかない。通常通りの日常が戻り、一緒に試合ができる日を楽しみにしています」

▽秋田白浜(SR渋谷と2連戦)「ワイルドカードに向けて渋谷を目指してやっている。その初戦ということで準備する時間もあったし、簡単な相手ではないという印象を与えたい。しっかり勝利を届けられるように頑張りたい」