先行きの見えない新型コロナウイルスの影響で、ラグビーのトップリーグが今シーズン終了を余儀なくされた。太田治チェアマンが2日、都内で会見に臨み来月開催予定の日本選手権が中止になったことに触れ「残念なことですが、今シーズンは終了となります」と宣言。全16チーム総当たりのリーグ戦は既に中止を発表しており、今シーズンはほとんど試合ができなかった。

日本選手権中止について問われると、マスク姿の太田チェアマンはひときわ険しい表情を浮かべた。主催する日本ラグビー協会が会見前に大会中止を発表。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、十分な準備ができないことを考慮した決定だった。太田チェアマンは「選手たちにも不安が広がっていた。当初は4月中旬に判断しようと思っていた」と悔しさをかみしめるように語った。

第6節まで消化していたトップリーグは、3月下旬に今季リーグ戦中止を発表。日本選手権は、参加チーム数の拡充など従来とは異なる大会規模で行うことも検討されていた。

来シーズンは当初、東京オリンピック(五輪)開催を考慮して日程を決める予定だった。新型コロナというよもやの事態に再検討を余儀なくされそうだ。

選手たちの試合機会が半年以上なくなることも懸念されている。太田チェアマンは「コロナの終息が前提だが、秋ごろに試合をやれたら」と期待感をにじませた。【平山連】