B1新潟アルビレックスBBの五十嵐圭(39)は新型コロナウイルスの影響のため41試合で打ち切りになったシーズンを終え、来季に備えている。来月に40歳になるベテランは、中地区4位に沈んだ今季の反省だけでなく、今後のバスケットボール人生の手応えも感じていた。

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苦戦した今季、五十嵐は個人成績的にも納得できるシーズンではなかった。反省しながらこのオフにリセットし、来季の土台をつくろうとしている。

-個人的な今季の成績については

五十嵐 数字の面(1試合平均9得点、3・6アシスト、フィールドゴール成功率37・9%)では過去3季より落ちています。今までは勝負どころで僕とダバンテ(ガードナー、28=三河)のツーメンゲームという部分があった。今季はそういう切り札がみつけられなかった。ポイントガードとしての仕事がうまくできなかったです。

-「得点にこだわる」という言葉をよく聞いた

五十嵐 ダバンテがいなくなった分、得点面を埋めなければならないと、少し気負いすぎたかな、と。ポイントガードは冷静でいなければならない。うまくいかない時こそ、バランスを取らないと。客観的に見る自分が今季はいなかったですね。そこが結果的に得点やアシストの停滞にもなったと思う。

-一方、ケガなく過ごしたシーズンでもあった

五十嵐 古傷の左膝に痛みが出ることはなかったですし、大きなケガもなかった。そういう意味では良かったです。体力的には疲れて動けないということはないです。

-5月7日で40歳。まだまだ十分に動けそう

五十嵐 僕は試合日程がタイトな方がいい。ポイントガードとしてもっと成長したいです。課題はもっと出てくると思います。今季は考えることがたくさんあった。難しさも感じた。それも成長材料になる。

-ストレス解消法は

五十嵐 家族といる時間ですね。妻(フリーアナウンサーの朋子夫人)と子どもと、犬と(笑い)。妻はあまりバスケの話はしないです。僕が話すと聞いてくれて。時々「こうしたらいいんじゃない」と軽く言ってくれたり。僕のことは分かっているので。

-新型コロナウイルスの影響でさまざまな事態が起きたシーズンだった 

五十嵐 中断、無観客試合、そして中止。コンディションやモチベーションの持って行き方がわからなかったです。ただ今後のバスケ人生のプラスになると思う。試合をやるにしても、やらないにしても準備をきっちりする。この経験を無駄にしてはいけない。無観客試合は本当に難しかった。ホームの力は大きいです。今回のことで特に思いました。その気持ちを今後も大切にしていきたい。

-来季に向けて

五十嵐 今季、厳しいシーズンと分かっていながら打開できなかった。その同じ失敗を繰り返してはいけない。チームとしての目標を明確にして、どうすれば目標にたどり着けるかをしっかり考えないと。チームだけでなく、新潟アルビレックスBBという組織に関わる人全員が意思統一して取り組むことが大切です。(おわり)【聞き手・斎藤慎一郎】

○…新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、ファン、県民に五十嵐がメッセージを送った。

「感染を防げるのは自分自身の行動です。外出を必要最小限に止めることで、この状況が良くなっていくと思います。自分さえよければではなく、自分からしっかり行動することが大切。それが積み重なって社会につながっていくと思います。みんな一緒に、まず自分ができることをやりながら過ごしましょう」