新型コロナウイルスの感染拡大後、グローバルスポーツとしては初の再開となるF1の2020年開幕戦オーストリアGPは7月3日からフリー走行が始まる。

今季はマシンの仕上がりが好調と伝えられるレッドブル・ホンダは、過去2年連続で優勝しているレッドブルリンクでの開幕だけに、今年も期待が掛かる。

史上最年少チャンピオン獲得を狙うマックス・フェルスタッペンだが、自分たちの仕上がりが良好であることを認めつつも、まずはマシンを走らせてみなければ分からないと慎重な見方を示した。

「そういう質問に答えるのはいつも難しいね。でも僕らが良いところにいるのは確かだと思うし、僕らはずっとプッシュし続けてきたんだ。だからこうして全てのパーツをここに持ち込むことが出来たし、パワーユニットだってアップグレードされている。良いスタートが切れたと思う。開幕前のテストをしただけでその後はずっと長いオフだった。だから誰にとっても多かれ少なかれクエスチョンマークはあるし、自分たちがどのあたりにいるのかはっきりとは分かっていないはずだ。だからあれこれ話すよりもとにかく走って自分たちがどこにいるのかを見てみる方が良いと思う」

過去2年連続優勝のレッドブルリンクだが、昨年は空気の薄い標高700mの高地でなおかつ気温30度を超す想定外の暑さとなったため、ライバルが苦戦を強いられる中でレッドブル・ホンダが勝利を収めた。一昨年も暑さの中でタイヤマネジメントで優位に立ち勝利を収めたが、マシンパッケージとしてはレッドブルリンクを得意としてきたわけではない。そして今年もレッドブルだけでなくライバル勢のマシン特性も変化していることが予想される。

「もちろん毎年それぞれが別のレースだし、今年もそうなるという保証なんてどこにもないんだ。過去3年間のここでのレースはもちろん素晴らしい内容だったけど、『OK、何年かここでは良いレースが出来たから今年も良いぞ』なんて思ったりはしないよ。特に今年は普通じゃないシーズンだし、まずは実際に走り始めてみないと何とも言えないよ。まずは気持ち良く走れるマシンに仕上げなければならないし、それに時間がかからないことを願っている。その上でどうなるかだね。もちろん僕らは全てのレースで勝ちを狙っていくよ」

チームメートのアレクサンダー・アルボンは、まだエースのフェルスタッペンに差をつけられる場面もあるものの、F1デビューの昨年後半戦に急きょレッドブルへと昇格が決まり、2年目のシーズンでしかない。

だが今季はオフの間にチームとしっかりと準備を整えてきており、飛躍に期待が掛かる。

「去年はシーズン中盤でのチーム加入だったから、腰を落ち着けてじっくりと考える余裕もなかったんだ。1レース週末が終わればまた次、といった感じでそんなヒマは全くなかった。でもオフの間にチームのメンバーと一緒に膝を突き合わせて、いろんなエリアに関して改善作業をして、今年に向けてやりたい作業をじっくりと話し合ったんだ。そこからさらに4カ月もの期間があったからね。もうこれ以上話す必要はないっていうくらい話し合った。あとはこれまでと同じメンタリティーで、集中することだよ」

2020年のF1シーズンは7月5日決勝のオーストリアGPで開幕し、翌週も同じレッドブルリンクでシュタイヤーマルクGPと名を変えて2週連戦が行われるほか、その翌週にはブダペストへと移動してハンガリーGPを開催。1週間のブレークを挟んで3週連続開催、2週連続開催と10週間で8戦を開催する超過密スケジュールとなっている。

(米家峰起通信員)