ウィザーズのルーキー八村塁(22)のプレーオフ(PO)進出の可能性が消滅した。ペリカンズ戦に先発し、37分の出場で23得点、6リバウンド、2アシストを記録したが、チームは敗れ、再開後5連敗。ウィザーズが残り3戦全勝し、東地区8位のマジックが全敗しても4ゲーム以内に差を詰めることができず、PO進出決定戦に進めなくなった。八村は「POを目標にやってきた。行けなくなったが、何としても1勝してシーズンをしっかり終わらせたい」と語った。

勝利が絶対条件の中、序盤から奮闘した。第1クオーター(Q)開始1分、再開後2本目となる3点シュートを決めた。前試合後には「ここ3試合攻撃で貢献できていなかったので、積極的にいこうと思っていた」と左45度からきれいに決めた。その後も2点シュートを3本決め、流れを作った。第2Qは残り9分から出場。41-43からチーム3連続でミドルレンジからのシュートを決めるなど、前半だけで両チーム最多の15得点。シュートは8本中7本を成功させた。

勝利が見えてきた後半、一気に逆転された。激しいディフェンスに、ボールを持っても、パスを出せず、中に切り込むことができない。無理な体勢でシュートを打たされ、得点を伸ばすことができなかった。第3Q、9点リードの残り8分から約6分間でウィザーズ4点に対し、22点を奪われた。八村は「気を抜いて一気に流れをもっていかれた。もう少し引き締めないと」と反省した。

主力の離脱で、マークが厳しくなり、ストレスのたまる試合が続いていたが、再開後最多となる23得点。ようやく八村の本来のプレーが戻ってきたところだったが、勝利には結び付かなかった。

1年目の今季、出場全46試合で先発した。股関節のケガで約2カ月半の離脱はあったものの、開幕戦からダブルダブルを決めるなど、新人ながら主力としてチームを支えた。負けが続いたが、コロナ禍で中断後、5・5差ギリギリで再開後のシーズンに出場。無観客、1カ所での集中開催という異例の状況の中、コートに立ち続けた。「シーズン中チームメートも変わったりしたが、ここまで来られて良かった。パンデミックの中でもプレーできたことに感謝している」と振り返った。

1試合平均13得点以上でチーム3位。リバウンドも6以上をマークし、ドラフト上位の新人の中でもトップクラスの成績を残した。それでも3点シュートの成功数や、積極的な攻撃参加、チームとしてリーグ最下位のディフェンス力など課題も残る。「来季はジョン(ウオール)もビールもいるので、いいチームができると思う。ルーキーシーズンをしっかり終わらせて、次のシーズンに向け、1年間学んだことを生かしたい」。PO進出はお預けとなったが、残り3戦も全力プレーで来季につなげる。