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今日の1枚

日刊スポーツが蓄積してきた写真の中から厳選して紹介します。

2018年10月7日
2018年10月7日

18年10月、近畿選手権大会・ジュニア女子フリーの演技を行う河辺愛菜。


今日の出来事

羽生結弦が66年ぶりの連覇を果たした平昌五輪以来、217日ぶりの実戦で首位発進(2018年)

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<オータムクラシック>◇21日◇カナダ・オークビル◇男子ショートプログラム(SP)

羽生がリンクに帰ってきた。羽生結弦(23=ANA)が、66年ぶりの連覇を果たした平昌五輪以来、217日ぶりの実戦に臨み、97・74点で首位発進した。スピンが0点になるミスはあったが、サルコー、トーループの2種類の4回転を含め、ジャンプはすべて着氷。新プログラムを心地良く滑り、新境地の片りんを見せた。

◇ ◇ ◇

「やっぱり試合って楽しいなと思いました」。右足の痛みを抱え、鬼気迫る姿で2連覇を達成した五輪から約7カ月。羽生は軽やかに、楽しそうにリンクに戻ってきた。憧れのジョニー・ウィアー氏がかつて滑った曲「秋によせて」を使用する新SP。衣装もウィアー氏が着用していたものに似せた白と青が基調。まねをして滑っていた小学生の頃の自分に戻るように、滑りながら笑顔を浮かべた。

2度の五輪王者となっても初戦の緊張感は変わらなかった。4回転サルコー、トリプルアクセル(3回転半)を美しく決めたが、連続技の最初の4回転トーループの着氷がやや詰まり、何とか3回転トーループを続けた。ジャンプをすべてそろえたが、そこで「若干集中がきれちゃった」。その後のスピンの1つで規定を満たさず、0点になる思わぬミス。演技後は「悔しいです。はい。うふふ」といつもの負けず嫌いの顔をみせた。

66年ぶりの五輪2連覇を達成し、6月には個人では史上最年少の国民栄誉賞を受賞。十分なキャリアを築いてもなお燃え尽きないのは、やりたいことがまだ残っているからだ。1つは点数や結果にとらわれず自分のために滑ること。この日のSPにも「自分ができることを(多く)盛り込みたい」と、こだわりが詰まっていた。憧れのウィアー氏の柔らかな動きにオマージュをささげるのはもちろん、冒頭の4回転サルコーは尊敬するライバル、フェルナンデス(スペイン)が得意とする、片足ターンの難しい入り方を採り入れた。

今大会では挑戦しない予定だが、前人未到の4回転半(クワッド・アクセル)成功という大きな夢も残っている。「試合でジャンプを跳ぶこととか、スピン、ステップやることを久しぶりに味わうことができたので、これを明日(のフリー)につなげるようにしたい」。滑る喜びが、また新たな伝説につながっていく。