全日本選手権2連覇中の小松原美里(28=倉敷FSC)、ティム・コレト(29=米国)組が、アイスダンスの活性化を喜んだ。

FDもトップの101・33点を記録し、合計170・04点で優勝。今月27日開幕のグランプリ(GP)シリーズNHK杯(大阪・東和薬品ラクタブドーム)では村元哉中(かな、27)、高橋大輔(34=ともに関大KFSC)組がデビュー戦となり、競演が実現する。

男子シングル元世界王者である高橋のアイスダンス転向決定後は「初めて会った人に『アイスダンスしています』って言った時に『あっ、ニュースで高橋大輔くんが…と言っていました』っていうのが増えました」と小松原。高橋の存在は幼少期からの憧れだ。同じアイスダンス選手としての競演を控えた、今の心境を包み隠さずに明かした。

「私がスケートを始めた時から同じクラブにいて、夢のような存在で、何て言うかな…1ファンなんですよね。一緒に滑ることになって、自分のずっとやってきた競技(アイスダンス)なので『絶対に負けちゃダメだ』と鼓舞する気持ちもすごくあります。でも、リスペクトは変わらず『絶対、他の人ができないようなことをやってくるだろうな』とか、楽しみなところもあるし『自分、しっかりしないとな』っていう戒めにもなります」

この日は約8カ月ぶりの競技会となり、小松原は転倒こそあったが「自分の中で体の動きがとても良かった」。魅力的な滑りを追求し、攻めた結果だった。

4月に日本国籍の申請を終えたというコレトも「皆さまの前で(日本勢が)3組メダルを取れるチャンスがあるので、とてもいいことだと思います」と待ちわびるNHK杯。小松原は「自分たちがやることは変わらないけれど、周りの方は見ていて楽しいと思います。『楽しいよ、アイスダンス』っていうのが、伝わったらいいなと思います」と願いを込め、大舞台へ準備を進めていく。【松本航】