バスケットボール全国高校選手権(ウインターカップ=WC、12月23日開幕、東京)の組み合わせが26日、決まった。女子で初出場の北星学園女は1回戦で八雲学園(東京)と対戦する。新型コロナウイルスの影響も受けて夏前に3年生10人中6人が引退。志半ばでチームを去った仲間の思いを胸に全国1勝を目指す。

創部81年目の北星学園女が、チームカラーのピンクのユニホームを身にまとって初のWCに挑戦する。道予選2位でつかんだ全国切符。金子紗里主将(3年)は「中学のときは全国ベスト16。それ以上を目指したい」。まずは八雲学園戦で全国初勝利を目指す。

困難を乗り越えるたび、結束力は強くなった。中高一貫校でチームの半数以上は中学からの進学組。高校から加入したセンター小久保瑞希(3年)は当初、17年全国中学16強のメンバーで構成されたチームの雰囲気がつかめなかった。「最初はいざこざもあったけど、それを経たから絆も強くなった」。何度も腹を割って話し合い、お互いを尊重し合えるまでに成長した。金子は「違う視点から意見を言ってくれた。(チームとして)視野が広がった」と語った。

2月の道高校新人大会は3位だったが、コロナの影響で6月に3年生6人が引退した。中学1年生からチームを支える上野莉奈マネジャー(3年)は「他人の気持ちのくみ取りができるようになった」。志半ばでコートを去った仲間の思いを共有して、残った3年生4人を中心により結束。佐藤文哉監督(30)は「2年生の成長が一番大きかった」。全国切符獲得につながったその成長は、3年生がひた向きに練習する姿を見てきたことに起因していた。

道予選出発日の早朝には、引退した3年生が校舎に集まり手紙を渡してくれた。ともに目指した全国舞台に立つことはできなくとも、苦しい練習の日々を過ごした思いは消えない。小久保は「引退したメンバーの分も頑張りたい」。負けられないと強く思う気持ちは、自分だけのものではない。【浅水友輝】