日本山岳・スポーツクライミング協会は12日、東京五輪代表の選考基準裁判の結果を受け、選手のコメントを発表した。

五輪代表に決まった男子の原田海(日新火災)は、「結論が出てくれてほっとしています。とはいえ、心から喜べる内容でない。当事者として思うことは、今後、同じような状況に誰もなってほしくないです」と複雑な心境を明かした。女子の野中生萌(XFLAG)は「来年、東京五輪が開催されることを信じています。そこで日本の皆さまに感動と勇気を届けられるように頑張ります」と決意を示した。

一方で、五輪への道が絶たれた女子の伊藤ふたばは「望んでいたものにはなりませんでした。まだ感情が整理しきれていないというのが本音です」。男子の藤井快(ともにTEAM au)は「今できること、目の前にあることを真摯(しんし)に全力で取り組み、24年パリ五輪に向けてしっかり準備します」とコメントした。

日本協会は東京五輪代表の選考基準の解釈を巡り、昨年11月に国際連盟をスポーツ仲裁裁判所に提訴。コロナ禍の影響で聴聞会が延期になるなど問題は長期化し、11日に通知を受けた。棄却されたことで、五輪代表は国際連盟が主張していた「19年世界選手権八王子大会で7位以内に入った男女2人」となり、原田(4位)と野中(5位)が代表に決定。既に男子の楢崎智亜、女子の野口啓代(ともにTEAM au)は決まっている。