歴史に残る羽生の名演技-。フィギュアスケート女子で3度の全日本選手権表彰台の経験を持つ中野友加里さん(35)が27日、5年ぶりに同選手権を制した羽生結弦(26=ANA)の演技に称賛の言葉を並べた。

自身のYouTube「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」を更新。羽生が26日に披露した新フリー「天と地と」を振り返り「音色とスケーティング動作、1つ1つのステップがしっかり合っていました。音楽の細かい部分、細部まで拾って表現するというのは『歴史に残る名演技』じゃないかというぐらい。『羽生マジック』にかかったかのような、音楽との一体感に、私自身も入り込んでしまいました」と思いを口にした。

冒頭は世界でも組み込む選手が少ない4回転ループを、3・60点の加点で成功させた。中野さんは「少し失速してしまいがちなジャンプ。それを全く感じさせないぐらい、演技全体の流れを止めず、スピードに乗った4回転ループでした。流れるようなスケーティングにつなげていた」と質の高さを強調した。

2位に入った宇野昌磨(23=トヨタ自動車)に対しては、フリーで演技後半に2本の4回転トーループを着氷させ、2本目はバランスを崩しながらも1回転トーループをつけて連続ジャンプとした点に着目。単独のジャンプとなれば基礎点が70%に制限されていただけに「そこで何とかシングル(1回転)でもあれ、トーループをつけたのが機転を利かせた判断。小さい積み重ねが勝ちにいく(つながる)要因になる」とたたえた。

チャンネル内では2年連続3位となった鍵山優真(17=星槎国際高横浜)の演技なども解説。27日の女子フリー後も、動画を更新する予定という。