15年世界ジュニア選手権78キロ超級金メダルで前大会3位の冨田若春(わかば、23)がコマツ同士の決勝で、橋本朱未(26)を下し、初優勝を果たした。

14分56秒の熱戦の末、指導3で反則勝ち。初の全日本女王の称号を手にすると「負けない気持ちで最後まで臨めたのが勝因。少し自信になった」と胸を張った。

瞬発力が持ち味の冨田は、序盤から14センチ高い180センチの橋本に対し、組み手争いで優位に立った。延長6分過ぎから寝技で2分近く抑え込まれヒヤリとする場面もあったが、最後まで果敢に攻撃を続けて勝利をつかんだ。優勝1回は、12年ロンドンオリンピック(五輪)金メダルで所属の杉本美香監督に並んだ。大会実績ではまだ劣るが「いずれは抜きたい」と宣言。東京五輪代表に落選し、現在はその悔しさを胸に24年パリ五輪を見据える。「パリへの戦いは始まっている。今は1つ1つ勝利を積み上げることが大事」と夢舞台へ決意を示した。

▽準優勝の橋本朱未「技術、精神面ともに1つ2つ足りない。(逆転の好機だった)寝技で勝負を決められず、取り逃がしたことが大きい。自分の甘さが出た」