日本ラグビー協会は31日、同協会の顧問(会長特別補佐)を務める元日本代表の坂田好弘氏(78)がニュージーランド(NZ)政府よりNZメリット勲章を受章することが決まったことを発表した。

NZメリット勲章は96年にNZ女王エリザベス2世が創設。国王とニュージーランド国民に対し、すべての領域で称賛に値する、卓越した努力、能力と貢献を示した人物へ授与される勲章で、日本人の受章は坂田氏で6人目という。

外国籍となる坂田氏は名誉受章者となり、勲章の授与式は21年春ごろを予定している。坂田氏は68年に日本代表としてNZに遠征し、若手の代表チーム「オールブラックス・ジュニア」を相手に4トライを挙げ、歴史的勝利に貢献。翌69年に単身NZへ留学し、カンタベリー州代表などに選出された。現役引退後も大体大の監督、関西協会会長などを務め、ラグビーを通じてNZと日本の発展や交流に大きく貢献してきた。

坂田氏のコメントは以下の通り。

このたびNZ政府より「メリット勲章名誉受章者」に選ばれた報告を受け、大変驚きました。

私はメリット勲章についての知識がなく、この勲章について調べましたが、非常に名誉なものであり、日本人の私が受賞できることに、心からの喜びと誇りを感じました。

選ばれた理由はNZと日本の関係発展に貢献したことが認められたもので、具体的にはラグビーを通じてのものです。

私がNZラグビーに最初に出会ったのは、64年12月、カンタベリー大学ラグビークラブが日本に遠征し対戦した時です。試合後のアフターマッチファンクションでの交流で、選手たちの純粋で素晴らしい人柄に触れ、このような人たちが住むNZに興味を抱きました。

66年にはカンタベリー大学ラグビークラブの招待で、日本の大学チームの一員としてNZへ遠征しました。その際、ホームステイをしながら試合を転戦しましたが、NZの人たちの親切で心温まるおもてなしを受け、ますますNZに対して興味を持つようになりました。

その後、68年には日本代表チームとしてNZに遠征し、69年にはカンタベリー大学ラグビークラブで1シーズンプレーをしました。このことで、NZとのつながりを広げることができ、ラグビーを通じて多くの友人を得、ますます関係が深まり、NZは私にとって第2の故郷と感じられる国となりました。

今回、NZ功労勲章名誉受章者に選ばれたことは、私にとって大変名誉なことであると同時に、日本ラグビーにとっても名誉なことで大変感謝しております。

ただし、この栄誉はラグビーを通じてのものであり、私がラグビーに出会うことがなければこの受賞はなかったと思います。

改めてラグビーとの出会いに感謝するとともに、私を支えてくれた全ての人たちに感謝いたします。世界が困難な状況ではありますが、引き続き、日本とNZ両国の友好関係の発展に尽力してまいります。本当にありがとうございました。