ともにシード校の桐蔭学園(神奈川)と京都成章が決勝に進んだ。桐蔭学園は2大会連続3度目、京都成章は初優勝を狙う。桐蔭学園はシード校の大阪朝鮮高(大阪第2)に40-12で快勝し、3大会連続で決勝に駒を進め戦後6校目の連覇に王手をかけた。京都成章はシード校の東福岡(福岡第1)を24-21で下して、初めて決勝に進出。京都勢の決勝進出は2007年度、第87回大会の伏見工(現京都工学院)以来。

2連覇を狙う桐蔭学園は、後半に地力の差を見せつけた。強烈なタックルとディフェンスが持ち味の大阪朝鮮高から、計6トライ。前回大会でも主力として優勝に貢献したロック青木恵斗(3年)が2トライを挙げるなど、攻守でチームに貢献した。「花園に来てから、やりたいアタックができてきている」と手応えを口にした。BK陣も躍動し、1年生FB矢崎は勝ち越しトライを含むハットトリックを達成。下級生も台頭し、チームの調子はうなぎ上りだ。

BK陣の活躍には、攻撃の糸口を探るため体を張って奮闘するFW陣の存在がある。その中心が青木だ。187センチ、110キロの巨体で突進を繰り返し、タックルを受けながら巧みにボールをつなぐ、オフロードパスなど鮮やかなプレーも見せる。万能の大型FW。指導する名将・藤原監督が「(青木が)今後FW第1列でプレーしたら、日本代表は10年間安泰」と口にする大器だ。

前回大会決勝でもトライを決め、同校初の単独優勝に貢献している。それでも「去年は先輩たちがトライを取らせてくれた。スペースを作ってくれたので」と一切のおごりはない。最上級生になって戻ってきた花園。東海大相模との県予選決勝で左足首を負傷。チーム練習に合流したのは花園入りする直前だったが、仙台育英との3回戦では3トライを挙げるなどした。

京都成章との決勝に向け、「タックルで小さい穴(突破口)を作って、アタックで外に大きく展開できる場面を作りたい」。昨年度の選抜大会準決勝で21-20と勝利しているが、「あの時はディフェンスが強くて1対1(の局面)で負けて、心が折れました」と警戒を怠らない。青木が、戦後6校目の連覇を狙う強豪の切り札になる。【平山連】

◆大会連覇 過去に8校が達成。戦後(26回大会以降)は5校で秋田工(27~29回=3連覇、31、32回、35、36回)目黒(52、53回)相模台工(73、74回)啓光学園(81~84回=4連覇)東福岡(89~91回=3連覇、90回は桐蔭学園と両校優勝)。戦前は3校で、同志社中(3~7回=5連覇、9~11回=3連覇)京城師範(13~15回=3連覇)撫順中(21、22回)。

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