アルペンスキー男子で新型コロナウイルス感染のため出遅れていた22歳の小山陽平(日体大)が、6日にザグレブで開催された男子回転第3戦で今季のワールドカップ(W杯)初出場を果たした。51番スタートだった1回目に43位で2回目進出を逃したが、随所に鋭いターンを披露して完全回復をアピール。初のW杯得点(30位以内)獲得へ期待を抱かせた。

今季の同種目で日本の出場枠は「1」。昨季に続いて代表の座を勝ち取った小山は昨年12月上旬に感染が判明し、同下旬の開幕2戦は欠場に追い込まれた。自主隔離後にPCR検査で陰性が確認され、2週間遅れでスタートゲートに立った。

1回目の序盤に大きくバランスを崩し、ターンが詰まってタイムロス。これが響いて完走した中では最下位に沈んだが、ミス直後はすぐ立て直して滑りが安定。コロナ禍のシーズンオフに「フィジカルが強くならないと体格で恵まれている(欧米の)選手とは戦えない」と陸上トレーニングに励んだ成果が見られた。

2016年冬季ユースオリンピック(五輪)の大回転で銀メダルを獲得した逸材。荒々しいが力強い滑りが魅力で「W杯総合優勝の夢を目標に変えるために努力する」と志も高い。世界選手権(2月・イタリア)までの6戦でW杯得点を手にしたいところだ。