新成人を迎えたアスリートが成人の日に誓いを立てた。女子バスケットボールで昨年11月に日本代表候補合宿に参加した東藤なな子(20=トヨタ紡織、札幌山の手)は、東京オリンピック(五輪)出場を最大の目標に掲げた。多くの自治体が成人式を中止するなど、新型コロナウイルスの影響を受けた成人の日。各競技で活躍する道産子アスリートが、20歳の決意を語った。

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「ケガなく周りも自分も元気で笑っていられますように」。新成人となった東藤は、元日に愛知県内の寮の近くの神社でそう願いを込めた。東京五輪が控える21年。さい銭箱にはシンプルに「5円」を入れた。

東藤 自分が高校を卒業して一番最初に目標としたのが東京五輪の代表に入ること。卒業してからずっとそのことを頭に置きながら過ごしてきた。

実力で縁を引き寄せ、笑顔であふれる1年にする。

昨年1月に東京五輪予選に向けた代表候補に初選出された。「練習についていくので精いっぱい」で、予選出場の12人からも漏れた。同11月に再び候補に選出。五輪開催延期で巡ってきたチャンスに「自分の全力を出そうという気持ちだった。自分のプレーも出せたし、良い物も吸収できた」と手応えもあった。

札幌山の手卒業後の19年にトヨタ紡織に加入。シューティングガードとして昨季は全16試合に先発。1試合平均14得点の活躍で新人賞を受賞も「外からの3ポイント(P)、ドライブでディフェンスを引き寄せてからのアシストパスが課題」。妥協せずコロナ禍で全体練習が制限された夏場は、プレーの幅を広げるためにドリブルハンドリングの練習を重ねてきた。今季はすでに出場12試合で昨季の3P、アシスト数を超えており「課題はつぶれてきている」と成長を続ける。

16年リオデジャネイロ五輪はパブリックビューイングで見た。同五輪に出場し「雲の上の存在」だった高校の先輩、町田瑠唯、長岡萌映子(ともに27)からは「(女子日本代表の)ホーバス監督は、なな子のドライブとかを信頼して合宿に呼んでいる。遠慮しないでもっと出していって良い」と助言ももらった。

昨年末には自身が3年時に逃した全国高校選手権で当時1年生だった後輩たちが9年ぶりに4強に進んだ。東藤は「最後まで諦めないで全員が集中しているのを見て感動した。自分も頑張んないといけないと刺激になった」。一生に1度の成人式の晴れ着姿は、シーズン中のため4月に撮影する予定。艶やかな晴れ着姿と五輪の舞台で戦うユニホーム姿を、21年のアルバムに収めてみせる。【浅水友輝】

◆東藤なな子(とうどう・ななこ)2000年(平12)11月29日、札幌市生まれ。新川中央小4年で新川中央ミニバス少年団で競技を始める。札幌山の手1年で総体4強、全国高校選手権8強。3年時にはU18アジア選手権準Vに貢献。19年にはU19女子W杯8強。ポジションはシューティングガード。趣味は漫画と映画観賞で、コロナ禍では漫画「スラムダンク」を2度目の読破、韓国ドラマ「愛の不時着」にもはまる。174センチ、65キロ。家族は両親と兄。血液型はO。