快進撃はまだ続く。男子準決勝で高校生チームの常呂ジュニアが、前年準優勝のTM軽井沢を8-5で破って決勝進出を決めた。序盤にリードを奪うと、中盤に差を詰められながらも、終盤にかけて突き放した。決勝はコンサドーレと今大会3度目の顔合わせ。王者の3連覇を阻めば、来年の北京五輪出場への道も開けてくる。

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小学時代から同じチームで腕を磨いてきた、4人の高校生の勢いが止まらない。北海道常呂高の2、3年生で構成される男子の常呂ジュニアが、18年平昌五輪出場の両角兄弟を擁する前年準優勝チームを撃破。スキップの前田拓海(3年)は、「戦術もショットも先走っていたが、なんとか勝ち切れた」と喜んだ。

0-1の第2エンド(E)で一挙4点を奪い、さらに第3Eでもスチール。1点差に追い上げられて後半に入ったが、第6Eからの3エンド連続得点で突き放した。1次リーグでの対戦では7-8で競り負けて大会初黒星を喫していたが、準決勝で鮮やかに雪辱した。

14日の決勝では3連覇がかかるコンサドーレとぶつかる。前田は「ここまで来たら優勝したい」ときっぱり。王者とは今大会3度目の対戦で、12日の1次リーグでは勝利を挙げ、同日のプレーオフでは延長の末に惜敗。ここまで1勝1敗と互角に渡り合っている。

98年長野五輪で20歳にしてスキッパーを務め、日本を5位入賞に導いた敦賀信人氏(43)の指導を受ける。この試合でもタイムアウト中に敦賀コーチから助言を授かると、しっかり戦術を理解し、勝利に結びつけた。

今回の快進撃を大会前に予期していたかと問われ、前田は「想像できていませんでした」と正直に打ち明ける。国内トップレベルの相手と真剣勝負を重ねる中で、驚くような成長曲線を描き続けている。

決勝でコンサドーレを破って頂点に立てば、来年の北京五輪代表の可能性も見えてくる。それでも前田は「代表決定戦のこととかは考えず、まずはこの大会に集中したい」。一心不乱に、決勝の大一番に臨む。【奥岡幹浩】

 

 

◆22年北京五輪への道 女子のロコ・ソラーレが連覇を果たせば「日本代表」に内定する。3月にスイスで予定されていた世界選手権で日本としての五輪出場枠獲得を目指すはずだったが、コロナ禍で大会中止が先日決まり、世界連盟は代替案を検討中。北海道銀行が日本選手権を勝てば、あらためて代表決定戦が行われる。男子もコンサドーレが連覇すれば日本代表に内定し、五輪出場権をかけて4月の世界選手権(カナダ)に出場。常呂ジュニアが初優勝し、その後の世界選手権で6位以内に入って五輪出場枠を確保した場合は、やはり代表決定戦が組まれる。