昨季王者のJTが、リーグ無敗の東レを3-1で下して2連覇を飾った。就任6年目の元女子日本代表吉原知子監督(51)の下で、チームは今季皇后杯に続き2冠を達成。タイトルが懸かった大一番で勝負強さを発揮した。

JT主砲のドルーズ・アンドレアのスパイクで勝利が確定すると、ベンチ入りした選手たちも一緒になってコート上で喜びを爆発させた。その様子を近くで見守った吉原監督もスタッフとともに歓喜に酔いしれた。リーグ無敗の東レに1セット先取されながらも慌てることなく逆転勝利。指揮官は「選手、スタッフともによく最後まで頑張ってくれた」とたたえた。

日本人初のプロバレーボール選手で、国内で所属した全チームで頂点をつかんだことから「優勝請負人」の異名を持つ。04年アテネ五輪など3度の五輪出場後、06年に現役引退。15年にJT監督に就任し、昨季は9シーズンぶりに日本一を奪還。勝ち続けることの重要性を植え付け、基本を徹底する指導が選手たちの意識に変化をもたらした。

「(選手は)大事な試合に向かうための集中力やコンディション調整がうまくなっている」と吉原監督。名将の下で、今やリーグ屈指の「常勝軍団」に変貌を遂げた。【平山連】