昨年のバスケットボール全国高校選手権で札幌山の手を9年ぶりの4強に導いたエース舘山萌菜(18)が1日、同校の卒業式に出席した。4月からは昨年の全日本大学選手権準優勝の白鴎大に進む。「今よりもレベルの高い選手が集まる中でも自分のプレーにさらに磨きを掛けて、大学でも活躍できるように頑張りたい。24年のパリオリンピック(五輪)を目指したい」と話した。

卒業式後には仲間と記念撮影。笑顔で旅立ちの日を迎えたが「部活に行くのが嫌になるぐらいきつかったこともあった」。エース候補として臨んだ1年時の選手権道予選は決勝で敗れ全国を逃した。「自分の実力不足を痛感した」。その悔しさを糧にした。OGで16年リオデジャネイロ五輪代表の長岡萌映子(27=トヨタ自動車)の映像を繰り返し見た。長岡らを育てた上島正光コーチ(77)の厳しい指導にも耐えた。

高校最後の1年はコロナ禍に見舞われた。練習ができない期間も荒井山近隣で体を鍛えてきた。最後の全国舞台となった選手権では、チーム最多の1試合平均33・5得点、10・25リバウンドで準決勝進出に貢献。エースとなって感じたのは「目配り、気配りができるようになった」。技術以上に精神的な成長を一番の学びと気づいた。

4月からは新たな環境に身を置く。舘山は「早く卒業したいと思ったこともあったけど、終わってみればまだここでバスケがしたかった」。一抹の寂しさも、新天地での飛躍につなげる。【浅水友輝】