全日本柔道連盟(全柔連)は14日、岩手、宮城、福島の東北3県の小中高生約120人を対象に「第1回オンライン柔道交流会」を開催した。

男子73キロ級の海老沼匡(31=パーク24)、男子100キロ級の羽賀龍之介(29=旭化成)、女子52キロ級の中村美里(31=三井住友海上)の16年リオデジャネイロ五輪メダリスト3選手が講師を務め、得意技などを披露した。過去の試合映像を流しながら、各自が得意技のコツを伝授する場面もあり、参加者は画面越しに食い入るように見て学んでいた。

約2時間の交流会を終え、報道陣の取材に応じた羽賀は「映像を交えてできたのはオンラインならではで、すごく伝えやすかった。(参加者と)実際に組んでできないため、直接会って柔道教室をやる価値も感じた」。妻の香菜さんが宮城県石巻市出身の海老沼は「(今月11日に東日本大震災発生から10年を迎え)ニュースなどを見て1週間ブルーになったが、このできごとは決して忘れていけない。子供たちは悲しい気持ちを乗り越えて、強くたくましく生きている。今度は直接会って指導したい」と感慨深げに語った。中村は柔道教室を通じて「私も勇気づけられた。今を大事に多くのことに挑戦してもらいたい」とエールを送った。

柔道交流会は、全柔連アスリート委員会が企画した。司会を務めた委員長の吉田優也氏(31)によると、今後も全国を対象に定期的に実施予定。