3季ぶり6度目の優勝を目指すサントリーが、トヨタ自動車との全勝対決を制した。36-36で迎えたラストプレーで、ニュージーランド代表SOボーデン・バレット(29)が約40メートルの「サヨナラPG」を決めて劇的勝利を手にした。オーストラリア代表主将として19年W杯に出場したトヨタ自動車フランカーのマイケル・フーパー(29)とのスター対決を制して、5連勝とした。

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ボールをセットして、バレットはぐいっと水を飲んだ。後半40分経過を告げるホーンが鳴る。約40メートル、左中間からのPG。バレットの右足から放たれたボールは右にそれかけたが、右ポストに当たって内側にポトリと落ちた。バレットは控えめに右拳を握ると、すぐ仲間たちに抱きつかれた。

千両役者のたたずまいだ。前半は12-26とリードされた。気まぐれな風で、バレットはゴールキック6本中3本成功と流れは悪かった。そんな中でも最後を締めて「しっかり落ち着いて自分のプロセスを信じて蹴られるように、普段から練習している。最後のキックも落ち着いて蹴られた」。

フーパーとの世界的スター対決も制して5連勝。主将のCTB中村亮は「試合前から『80分で勝てればいい』と話していた。今まで大勝が続いた中でタフな試合を経験できたことは大きい」とした。【益田一弘】