就任1年目でリーグ優勝をもたらした山村宏太監督は、前回優勝時(2006-07)に現役選手として経験した1人。あれから14年。遠ざかっていたタイトルを手にして喜びもひとしおの様子。大舞台でも物おじしないプレーを見せた選手たちをたたえた。

2メートル超の長身を生かしミドルブロッカーとして17年までプレー。08年北京オリンピック(五輪)代表など現役時代から男子バレー界を支えた。引退後は指導者の道に進み、イタリアでコーチ留学も経験。

自身の指導スタイルについては「型にはめず、選手1人1人と向き合うタイプ」。普段から選手と会話を重ねながら、時には解決策が見つからず選手と一緒に悩む。「いろんな指導者の方と出会いましたが、自分の特性を考えた時にどの人にも当てはまらない。自分なりのスタイルを貫いていこうという思いがあります」と話す。

そんな新米監督の姿に、主将の大宅は「(山村監督は)くだらない話も真面目な話もしてくれて、親子みたいな関係性でした」と大きな信頼を寄せる。

優勝会見では報道陣からから飛んでくる1つ1つの問を「難しい質問ですね」と苦笑いを浮かべながら、時間をかけて丁寧に回答する。そんな姿に選手たちからも慕われる人柄の良さがかいま見えた。まだ始まったばかりの指導者人生。今後目指すべき監督像について問われ「時にはいばらのみちを進むことになるかもしれませんが、僕は選手と一緒になって考えていく監督になりたい」と力強く語った。【平山連】