花園で2日連続の“逆転サヨナラ劇”が生まれた。

トヨタ自動車がラスト1プレーの劇的な逆転勝利で、紅組2位通過を決めた。

6点を追う後半42分、今季売り出し中のWTB高橋汰地(24)がトライ。SOライオネル・クロニエ(31)がゴールキックを成功させ、土壇場で逆転した。常翔学園高(大阪)、明大を経て19年に加入した高橋は試合後に笑顔で明かした。

「昨日行われていた神戸製鋼-(NTT)ドコモの試合を思い出して『うわ、これ、劇的なやつ、あるかもしれん!』って考えていました。疲れているのは両チーム一緒。ボールが回ってきて『チャンスがあれば行くぞ!』とイメージしていました」

花園では前日10日に白組の神戸製鋼とNTTドコモが対戦。3点を追う神戸製鋼が後半43分、フッカー松岡賢太(23)の逆転トライで白星をつかんでいた。

クボタとは試合前時点で同じ勝ち点24。2位を懸けた注目の一戦を控え、サイモン・クロン・ヘッドコーチ(HC、45)からは「84分(後半44分)、85分(同45分)…。最後まで戦い抜くこと」と全員に落とし込まれていた。高橋は「接点が激しくなる展開は予想できていた。最後の最後まで、諦めずにプレーし続けたことが勝ちにつながった。まずはホッとしています」と穏やかな表情で振り返った。

この日で組内の順位が全て確定。紅組はサントリーが7戦全勝の首位。トヨタ自動車が6勝1敗の2位、クボタが5勝2敗の3位となった。順位はトップリーグ(TL)16チーム、トップチャレンジリーグ(TL2部相当)上位4チームが参加するプレーオフトーナメント(17日開始)に反映される。

トヨタ自動車のクロンHCは「この7節で非常にラグビーの経験が増えた。素晴らしいリーダーもそろっている。今後も自分たちのやることに集中する」と次の舞台を見据えた。目指す場所は頂点だ。【松本航】