日本人プレーヤーが、初めてプレーオフの大舞台に立つ。NBA東地区のプレーオフ(PO)進出決定戦(プレーイン・トーナメント)が行われ、八村塁(23)が所属するウィザーズ(レギュラーシーズン東地区8位)がペーサーズ(同9位)に圧勝してプレーオフ最後の切符をつかんだ。

日本選手がプレーオフに進むのは初。八村はこの試合、先発として約25分半プレーし、18得点、4リバウンド、2アシストで勝利に貢献した。

   ◇   ◇   ◇

直前の試合ではファウルトラブルに見舞われた八村だが、気持ちをしっかり切り替え、序盤から積極的なプレーが光った。相手のペースになりかけたところで3点シュートを連続で決めて流れを引き戻したかと思えば、タフにゴール下へと入り込んでシュートをたたき込むなど、内容も非常に濃かった。

1年目と2年目のスタッツ比較すると、1試合あたりの平均得点はほとんど変わらない。前年に比べて0・3ポイント増えただけだが、それでも数字に表れない部分での成長を感じる。昨季はチームメートに取らせてもらった得点もあったが、今季は自分で取りに行くシーンが増え、ダンクを積極的に狙うシーンも増えた。ダンクに持ち込むにはエネルギーを費やすが、成功率は高く、チームにエナジーを与える効果もある。この姿勢は引き続き持ち続けてほしい。

プレーオフ1回戦の相手は第1シードの76ers。リーグ屈指のビッグマンであるエンビードをはじめ、2メートル8センチの司令塔シモンズ、そして身体能力の高いハリスらがそろい、強固な守りを誇る。過去74回の歴史において、第8シードのチームが第1シードを破る番狂わせを演じたのは5回のみ。壁を打ち破るのは簡単ではないが、八村はエナジーを持って全力でぶつかって欲しい。プレーオフのコートに立つ経験は、今後のバスケットボール人生において、大きな財産となる。(NBAコメンテーター)