18年世界女王の朝比奈沙羅(24=ビッグツリー)が決勝で20年全日本女子選手権覇者の冨田若春(24=コマツ)を延長の末、指導3の反則勝ちで下し、2大会ぶり2度目の頂点に立った。

延長5分36秒、朝比奈が冨田の一本背負いをいなすと、倒れ込んだ冨田が左膝を負傷。なかなか起き上がれず、3つ目の指導が出て勝負が決まった。主審が判定を下すと、朝比奈は冨田のもとに駆け寄り、担いで畳を下りた。その光景を目にした観客から、2人の日本代表に盛大な拍手が送られた。

朝比奈は、昨年2月のグランドスラム(GS)デュッセルドルフ大会以来の国際大会。同12月の全日本女子選手権では初戦の2回戦で敗退し、今年4月の全日本選抜体重別選手権は肋骨(ろっこつ)骨折により欠場した。独協医大医学部の医学生と柔道家の二足のわらじを履き、4度目の世界選手権に向け「結果が全て。王座奪還できるように試合に臨みたい」と決意を語っていた。