東京五輪聖火リレーの代替行事として点火式典が13日、白老町のアイヌ文化施設、民族共生象徴空間(ウポポイ)で無観客にて行われた。参加予定だった聖火ランナー86人の名前が読み上げられた後、ランナーを代表し、ただ1人出席した同施設職員の山道ヒビキさん(32)が聖火皿に点火。「このような経験は人生の中でも1回しかできないことなので、とても光栄です」と笑顔をみせた。

全国最小規模の式典となったが、幼少期からアイヌ文化に触れ育ってきた山道さんが思いを込めた。「北海道、日本の多様性、いろんな文化やルーツを持っている人がいることを伝えたかった」。点火の際、オンカミと呼ばれるアイヌ文化伝統の拝礼動作にならい、トーチを3度上下させてから火をともした。「この気持ちが聖火に灯るように、1つの思いとなって世界に発信されれば」と話した。14日には札幌市内で式典が実施される。