ニッカンスポーツ・コムでは8日、18日、28日の「8」がつく日に、NBAウィザーズの八村塁(23)やリーグに関する話題を連載している。

第8回は、ウィザーズから今季限りでの退任が発表されたスコット・ブルックス監督(55)について、その足跡やチームの今後についてリポートする。

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ウィザーズを5シーズン率いた指揮官がチームを去る。現地時間16日、オンライン会見でブルックス監督の退任を発表したトミー・シェパード・ゼネラルマネジャー(GM)は、「ブルックス監督と私はこの2週間ほど対話を重ね、その結果、新たな方向に進むことを決心した」と表明。契約を更新しない決断に至ったことを説明した。

2016-17年シーズンより指揮を執ったブルックス監督は、通算5年間で183勝207敗の成績。この間の勝利数はクラブ史上5位に相当する。コロナ禍の今季は途中まで苦戦が続いていたチームを建て直し、4月には月間最優秀監督に選ばれるなど、チームを3季ぶりプレーオフに導いた。

人心掌握術にたけた人格者で、15年まで7季指揮を執ったサンダー時代には年間最優秀監督賞を受賞。デュラント、ウエストブルック、ハーデンらが所属したチームを率い、11-12年にはプレーオフ決勝まで進んだ。ウィザーズでは八村をルーキーイヤーから先発で起用し続けるなど、若手育成でも手腕を発揮。ウエストブルックは今季終了後、「僕たちを1つに団結させ、励まし続けてくれた」と、恩師への信頼感を口にした。

次期監督についてシェパードGMは「じっくりと考えていく。さまざまな人物が候補となるだろう」と、時間をかけて探していく方針を示した。

そうした中にあって現地報道では早速、後任候補者が取りざたされている。AP通信によれば、クリッパーズのアシスタントコーチ(AC)を務めるチャンシー・ビラップス氏や、ティンバーウルブズACのデビッド・バンタープール氏らの名前がまず挙げられ、さらにはNBA初の女性監督誕生の可能性についても言及。スパーズACを務めてきたベッキー・ハモン氏やデューク大の女子チームを率いるカーラ・ローソン氏ら複数の女性指導者も、候補者リストに名を連ねているとしている。【奥岡幹浩】