カナディアン・フットボール・リーグ(CFL)で日本人が初の得点を挙げた。ブリティッシュコロンビア(BC)・ライオンズのK/P山崎丈路(27=オービック)が、7日にアウェイでのサスカチュワン・ラフライダース戦に先発出場。2本のFGを成功させるなど、9点をマークして歴史を刻んだ。CFLはNFLに次ぐアメリカンフットボールのプロリーグ。

前半最後のプレーで山崎の見せ場が来た。残り6秒で43ヤードのFGを狙い、背番号71が右足を蹴り上げる。高々と上がったボールは、右ポストのギリギリ内側を通り抜けた。山崎自ら両手を挙げて成功のポーズ。チームメートに頭をなでられて祝福された。

前日6日にはウイニペグ・ブルボマーズのLB丸尾玲寿里(25=アサヒ飲料)が、キッキングで日本人初の出場していた。山崎は日本人初の先発出場で、試合開始でまずは66ヤードのキックオフを蹴り込んだ。相手の攻撃が好調で、BCの攻撃はなかなか進まず。ようやく巡ってきたチャンスだった。

後半には3本のFGを狙っって40ヤードは2本目の成功も2本を外した。成功した2本よりも短い31ヤードと37ヤードだった。成功率は50%。TD後のTFPとなるコンバートキックも2本中1本失敗した。

CFLには独特のルールがいくつかある。キックがエンドゾーンでボールデッドになると、シングルと呼ばれて1点となる。山崎は2FG失敗もいずれもシングルで2点。2FG、2シングル、1コンバートで合計9得点を獲得となった。

試合は前半残り4分を切って、0-31と大きくリードされていた。後半は守備が2点に抑え込み、攻撃も奮起して2TDパスなどで、29-33と4点差まで迫った。残り1分33秒、山崎が4回目のキックオフでオンサイドを蹴ったが決まらず。最後の攻撃もインターセプトされて開幕勝利とはいかなかった。

CFL公式サイトには「FGでのポイントを獲得した最初の日本生まれの選手で歴史を築いた」と、最初にFGの動画が掲載された。山崎の2FGと1コンバートが決まっていれば、プラス5点で合計で1点上回ることになった。歴史に名を刻む試合となったが、ちょっとほろ苦いデビュー戦にもなった。

山崎は大分上野丘高ではサッカー部で、関西2部の大阪大に進学してフットボールを始めた。17年にエレコム神戸をへて「NFLを目指すためにベストな環境を」と中退し、昨年オービックに移籍した。

昨年には練習ながらも、国内最長58ヤードを大きく上回る73ヤードFGを決めた。BCにはグローバルドラフトでライオンズに3巡目の全体19位で指名され、キャンプで開幕ロースターをつかんだ。CFLではNFL以上にキッキングが重要視される。山崎はさらなる活躍、勝利に貢献で、NFLへのステップとしたいところだ。