東京オリンピック(五輪)の陸上男子110メートル障害で金メダルに輝いたハンスル・パーチメント(ジャマイカ)のピンチを救った大会運営スタッフ、ストイコビッチ河島ティヤナさん(25)が19日、東京都内のジャマイカ大使館を訪れた。大使からTシャツなどをプレゼントされる歓待を受け、緊張した表情のティヤナさんは「自分のできることをやっただけです」と振り返った。

ティヤナさんが話題になったきっかけは、陸上男子110メートル障害で金メダルを獲得したパーチメントが自身のインスタグラムに投稿した動画。今月4日に国立競技場で行われた準決勝に向かう際にバスを乗り間違えて困り果てるパーチメントに、お金を渡してタクシーに乗るよう促した。

無事に会場入りし「おかげで十分なウオーミングアップができた」というパーチメントは準決勝を難なく勝ち残り、翌日の決勝で大本命だったグラント・ホロウェー(米国)を0秒05差で抑えて13秒04で初の金メダルを獲得した。

パーチメントは、レース後にインスタグラムで再会した時の様子を動画で投稿した。金メダルを見せ、ジャマイカのシャツをプレゼントした後、お金も返却。驚きつつ喜ぶティアナさんと記念撮影し感謝の言葉で動画を締めくくると、母国メディアで大きな話題を呼んだ。

大使館スタッフによると、現地政府は新型コロナウイルスが落ち着いた時にティヤナさんを公式招待する意向を示している。この日ジャマイカ国旗がプリントされたユニホームを着たティヤナさんも「感謝の気持ちを伝えなきゃいけないと思っています」と乗り気だった。