18年平昌オリンピック(五輪)銅メダルのロコ・ソラーレが北海道銀行を8-6で下し、2連敗スタートからの劇的な3連勝で代表の座をつかんだ。ロコ・ソラーレは来年の北京五輪出場切符が懸かる世界最終予選(今年12月、オランダ)に日本代表として臨む。北海道銀行は北京五輪出場の可能性がなくなった。

最後の大一番でも、ロコ・ソラーレは緊張感を見せることなく、明るい表情でプレーした。前半は有利な後攻で2点を挙げて、先行時には相手に1点を取らせる理想通りの試合運びを展開。序盤からがっちり流れをつかんだ。後半、粘る相手に1点差に追い上げられたが、落ち着いて乗り切った。

3戦先勝方式の大会でまさかの連敗スタートを切ってしまった。それでもそこから地力の高さを発揮。前日の第3戦を大勝すると、この日午前からの第4戦では逆転勝利で逆王手。その試合直後、「この勝ちは大きい」とうなずいたスキップの藤沢五月は、「この試合に勝てば、流れはこちらに来ると思いながらやっていた」と自信を深めていた。崖っぷちに追い込まれても、楽しみながらプレーした。勝利が決まると涙があふれた。

世界最終予選には9チームが出場し、3位までに入れば北京五輪の出場権を獲得する。98年長野五輪でカーリングが正式種目となってから、日本女子は6大会連続出場中。負けられない戦いが続く中、ロコ・ソラーレは笑顔を絶やすことなく戦い続ける。

▽スキップ藤沢五月 (勝負を決めた最後のドローショットについて)「いやー、緊張しました。みんなが時間をたっぷり残してくれていた。どのくらいのウエートか、ちな(吉田知)のコールを信じて投げるだけだった。2試合目で最後のドローで失敗して。スキップの1番の責任で負けた。絶対決めたと思って、決めて勝てた。1人じゃ絶対できなかった」

▽サード吉田知那美 「ずっと怖くて。怖かったですが、ようやくくもの糸がおりてきた」と涙。勝利インタビュー中もたっていられず、座り込んで涙を流した。連敗からの3連勝で代表決定。「(連敗の後)みんなでどうするべきか話した。作戦のレパートリーも、投げのラインも美しい。でも星だけとれない。何が足りないか? 運がなかった。自分たちで運命を変えよう、と話した。相手は北海道銀行さんじゃなくて、自分たちの運命と戦ったつもりです」

▽セカンド鈴木夕湖 「実力を出し切れば勝てると思っていた。でも2連敗して、実力を出し切るだけじゃなくて、気持ちを前面に出して、私たちらしく、勝ちたい気持ちを出さなきゃいけないと皆で話した。(好調は)チームの皆のおかげというか、さっちゃん(藤沢)が(コースの)幅をとってくれて、2人(吉田夕、吉田知)がスイープに入ってくれて決められた」

▽リード吉田夕梨花 「今はあまり実感がないですが、チームを誇りに思います。その感情だけです。2連敗のおかげで、覚悟が決まって、腹をくくってやるしかないと思えた。リードとして、ロコの1人として、後ろのメンバーが楽になれば、私にとってこのゲームは勝ったといえる。それだけでした」

▽リザーブ石崎琴美 「大丈夫だよ、と。とにかくあきらめない気持ちを届けて、送り出した」と振り返った。五輪2大会出場と経験豊富な42歳は、昨年9月にリザーブとしてチームに加入。7年ぶりのカムバックだった。「(皆が)一緒にやりたいといってくれたから、こんなに素晴らしい、すてきな気持ちを選手として、もう1度感じられた。(12月の)世界最終予選をともにできる幸せに思う。もっと強くなっていく皆を、近くてみてきたい」