サッカー元日本代表監督の岡田武史氏(65)が、バスケットボールBリーグの理事に就任する見通しであることが25日、関係者の話で明らかになった。29日の各クラブ代表による総会で正式に決まる予定。

サムライブルーを指揮した岡ちゃんが、バスケの世界でも一肌脱ぐ。日本代表監督としてW杯に2度出場し、10年南アフリカ大会では前評判を覆して16強入りに導いた。国内外のクラブの指揮官としても手腕を発揮。16年には日本サッカー協会(JFA)の副会長に就任し、ナンバー2として田嶋幸三会長を支えた。18年に同職退任後も名誉職の参与としてJFAに名を残している。

Bリーグに“岡田新理事”が誕生すれば、経営者の視点でも貢献が期待できる。自身がオーナーを務めるサッカークラブのFC今治は就任時点で“5部相当”の地域リーグ所属だったが、選手や組織の自立化を促す「岡田メソッド」によって着実に成長。現在はJ3(3部)で奮戦している。その知見やノウハウは、競技を超えてBリーグでも必要とされそうだ。

Bリーグの初代チェアマンは、Jリーグの初代チェアマンの川淵三郎氏が務めた。先代で2代目チェアマンの大河正明氏は元Jリーグ常務理事。2つのリーグは競技こそ異なるが、垣根は低い。また日本バスケットボール協会の現会長は元バレーボール日本代表の三屋裕子氏が務めているように、近年のバスケ界は他競技の優れた人材を積極的に招き、活性化させてきた。

Bリーグは30日の開幕戦(琉球-A東京、沖縄アリーナ)を皮切りに、創設6年目のシーズンが始まる。5年後には「新B1」構想を掲げ、試合成績による昇降格を廃止し、入場者数や売上高などの経営力を参戦の審査基準とする。次なるステップへ。サッカー界の知将の力も得て、さらに発展させていく。

◆岡田武史(おかだ・たけし)1956年(昭31)8月25日、香川県生まれ。大阪・天王寺高-早大-古河電工(現J2千葉)。90年に引退後は指導者となり、97年10月に日本代表コーチから監督へと昇格。98年W杯フランス大会を指揮。札幌、横浜の監督を経て07年に日本代表監督に再登板した。14年11月にFC今治のオーナーに就任し、チームを経営。日本サッカー協会(JFA)元副会長。