フィギュアスケートの昨季ジュニア3冠女王で、今季シニア転向1年目の松生理乃(16=中京大中京高)が26日、名古屋市内で行われた中部選手権の女子で初優勝した。ショートプログラム(SP)首位で迎えたフリーも1位の131・96点。合計201・44点で完全制覇した。冒頭、初成功を目指すトリプルアクセル(3回転半)に挑戦。前2戦では転倒していたジャンプで、今回は両足で立ったものの1回転不足と判定され「跳びたかった。モヤモヤします」と悔しがった。

演技全体では、後半に連続ジャンプ3本を集めて高得点。一方の3回転半は進入スピードやタイミングに苦戦している。浅田真央さんらを育てた山田満知子コーチから「中途半端」と指導されたが「跳べないと世界で戦えない」と発奮。来月2日のジャパン・オープンや初参戦のグランプリ(GP)シリーズでも3回転半に挑むことを明言した。

新フリー「月光」は、元同門の宇野昌磨も演じた名曲だ。松生も「昌磨選手が思い浮かんだ。1つ1つの動きに重みがあって感情移入できる。理想としたい」と話す。平昌オリンピック(五輪)の男子銀メダリストを手本に、夢の北京五輪へ。3回転半と並行し、持ち前の表現力にも磨きをかける。【木下淳】