フィギュアスケートのジャパン・オープンが2日にさいたまスーパーアリーナでフリーを演技して争われ、男子は18年平昌五輪銀メダリストの宇野昌磨(23=トヨタ自動車)が4回転ジャンプ4種類5本の高難度構成に挑んだ。

「いまの自分を知る」。成功確率は低いと見立てていた。実際に冒頭からループで転倒、サルコーは2回転などミスが出たが、「気持ち的にも追い込まれる中で踏みとどまった」。後半にフリップ、トーループを決めて、フィニッシュ後には10回以上もうなずいた。181・21点で1位となった結果以上に、現状把握できたのが収穫だった。「練習は間違ってなかった」と再確認できた。

平昌五輪シーズン以降は「諦めた期間もあった」4回転ループに再挑戦した。きっかけは、後輩の鍵山の存在。今オフに練習をともにし、ループとルッツを跳ぶ姿に触発された。「3種類では置いていかれる。彼にとって、僕が尊敬されているからこそ、期待に応えたい」。決意が生まれた。

主将を務めたチームブルーも合計886・86点で勝利した。「引っ張らないと行けない立場ですが、支えられた」と謙虚に笑顔を浮かべながら、収穫多いシーズン初戦となった。【阿部健吾】

 

○…女子でともに2大会連続の五輪を狙う2人も登場した。坂本は「難しい」と話す新プログラムを試合で初披露。最後のスピンからのフィニッシュポーズ直前に尻もちを付く珍しいミスに顔を赤らめたが、「伸びしろしかない」。シーズンの出だしの悪さに4年前を思いだし、「平昌の時は一番可能性が低かった下っ端。今回は狙っていきたい」と力を込めた。ベテランの宮原は、試合で3回転半を初めて跳んだ。転倒したが、「できるだけ挑戦していきたい」と前を向いた。