22年北京五輪を目指すシニア2年目の河辺愛菜(16=木下アカデミー)が、競技会のSPで初めてトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させた。

冒頭で組み込んだ大技には1・33点での出来栄え点(GOE)がつき、65・16点の2位発進。3回転半は着氷と同時にほほえみ「跳べたことにびっくりしたのと、うれしい気持ちで笑顔になっちゃいました。いつもは息を整えて集中し直すけれど、うれしくてそのままいっちゃった」と振り返った。続くルッツ-トーループの連続3回転は、後半のトーループで転倒し「ルッツを降りた後に安心して、気を抜いてしまった」と正直な言葉で反省した。

19年の全日本ジュニア女王は、昨季にシニアへ転向。だが、武器の3回転半を安定させるのに苦労した。今季は前週のジャパン・オープンに続いて成功。立て続けに決めたことは「ショート(SP)でトリプルアクセルがないと上にいけない」と大きな価値がある。

10日にフリーが行われ、29~31日にはグランプリ(GP)シリーズ第2戦スケートカナダに出場する。北京五輪の代表3枠入りへ、大一番となる12月の全日本選手権(さいたまスーパーアリーナ)に向け「(合計)210点を目標にして、表彰台に乗りたい」と力強く言い切った。【松本航】