今年3月の世界選手権で初出場2位の鍵山優真(18=オリエンタルバイオ/星槎)が、来年2月に備えた北京オリンピック(五輪)テスト大会を完全制覇した。本番会場になる北京市内の首都体育館で今季の国際大会初戦を迎え、前日首位のショートプログラム(SP)に続いてフリーも1位の179・98点。合計277・78点で、開幕まで4カ月を切った舞台へ縁起のいい優勝を飾った。

ただ、内容には満足できなかった。フリー冒頭、今季から導入した4回転ループに挑んだが、着氷が乱れた。続く4回転サルコーで転倒。「ループは挑戦できて良かった」が、新技に失敗しても2本目から切り替えるはずが、ミスを引きずって「もっと精度を上げていかないと」と反省した。

一方でコロナ禍の経験値は上げた。本番リンクの感触を確かめ「五輪会場の氷に2日目から合わせることができた。来年2月、また戻ってきたい」。9カ国・地域から選手を招き、選手と外部を隔離する「バブル」方式で行われた運営面も「マスクや消毒方法が厳格に指定され、毎日のPCR検査など心配なく演技に集中できた」と体感できた。

女子は三原舞依(22)がSP2位から逆転優勝し、坂本花織(21=ともにシスメックス)が2位。男子2位佐藤も含め、男女とも日本勢がワンツーで終えた。