女子の高梨沙羅(25=クラレ)が合計235・5点で逆転優勝した。1回目115メートルで2位につけると、2回目に最長不倒の129メートルを飛んで逆転した。

新設の女子ラージヒルで初代女王に輝き、22日ノーマルヒルとの2冠を達成。北京オリンピック(五輪)本番に向けて、国内で着々と勢いに乗っている。

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100回目を迎えた全日本選手権で、女子初開催のラージヒルの頂点に高梨が立った。ノーマルヒルともに1回目2位からの逆転勝ちだ。「全日本選手権って大きな試合。しっかり成績を残すことで応援してくれている方に届きやすい試合。ここで成績を残せたことは自分の自信につながるし、いい弾みにもなるかなと思う」と、冬への手応えをつかんでいた。

複雑な表情を浮かべながらの優勝インタビューだった。1回目、順番を待っていると、4番前の丸山希(23=北野建設)が着地後に転倒して負傷した。昨季、ともにW杯、世界選手権に出場した後輩。心配しながら「あまり率直に喜べない」と思いやった。仲間のアクシデントを乗り越え、風が方向を変えながら吹き荒れる難しい条件をクリアした。「忍耐して自分のやるべきことに集中することで結果がついてくることもある。忍耐は大事」と話す。

27日で北京五輪開幕まであと100日となる。銅メダルを獲得した18年平昌五輪後からつくり直したジャンプの完成度は「70くらい」という。本番に向けて、あと30の積み上げに取り掛かっており、その試行の場でもある国内戦で結果を出した。【保坂果那】