浜松開誠館が、大会初のアベック優勝を飾った。

男子は10度の優勝を誇る飛龍に69-67で競り勝ち、創部10年目にして初優勝。女子は、17度目の優勝を目指した常葉大常葉に81-47で圧勝。男女を通じて大会史上初の6連覇を達成し、7度目の全国切符を手にした。両チームが出場する全国大会(ウインターカップ、12月23日開幕・東京)の組み合わせ抽選は、今月17日に行われる。

初めて男子の頂点に立った。浜松開誠館の選手たちは2点差で逃げ切った後、抱き合って喜んだ。最後に自投2本を決めた海野来晟(うんの・らいせい)主将(3年)は座り込むようにして頭を床につけ、号泣。後藤正規監督(51)はインタビューで涙を流した。

創部10年での初優勝。立ち上げから指揮する後藤氏は「チームに実績がないので、あちこちから選手を集められない。来てくれた生徒を育て、知恵を絞ってきた。強い相手に勝てることをようやく証明できた」と実感を込めた。地道な育成が実り、強豪校を連破。準決勝では2019年優勝の藤枝明誠、この日は飛龍の2連覇を阻止した。

雪辱の一戦だった。今年5月の県総体決勝でも同一カードとなり、3度の延長の末に114-117で苦杯をなめさせられた。海野はその時の悔しさを忘れないよう、「体育館にその試合の新聞記事を張り、ここまでのモチベーションにしてきた」と明かした。

この日はチーム2位の13得点の活躍。「優勝できて、とてもうれしい。全国大会ではベスト8を目標に頑張りたい」。県の新人戦や県総体でも例がないアベック優勝を果たした選手たちは、ウインターカップでも新たな歴史をつくりそうな気配だ。【倉橋徹也】

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浜松開誠館(女子)は県内高校公式戦の連勝を「106」に伸ばした。今年2月の新人戦では、この日の相手の常葉大常葉に77-75で辛勝。三島正敬監督(46)は「あの試合を勝ちきったことが自信につながったと思う」。一方で第1クオーターで連発したファウルについて「(2年生以下が多く)チームがまだ若くて未熟。失点をもっと防げたはず。全国大会は甘くなく、もっと修正したい」と先を見据えた。