【グルノーブル(フランス)21日=松本愛香通信員】フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第5戦フランス杯で、シニアGP初の表彰台となる男子2位に入った佐藤駿(17=フジ・コーポレーション)が、一夜明けて現地記者団の取材に応じた。

ショートプログラム(SP)87・82点、合計も19年ジュニアGPファイナル優勝の255・11点(ジュニア世界記録)から264・99点に自己ベストを更新した。

左肩を脱臼しながら第1戦スケートアメリカで4位と粘り、初のGPファイナル(12月、大阪)進出の可能性も残した佐藤の意識と照準は?

同期で親交の深い鍵山優真(18=オリエンタルバイオ/星槎)から受ける刺激は?

焦り、危機感は?

ジュニアGPファイナル王者が見たシニアGPは?

ジャンプが武器。全種類の3回転を跳べるようになった時期は?

つかむコツは?

今大会、成功した大技4回転ルッツの練習頻度は?

会場だけで語った一問一答の一部は以下の通り。

--SP4位から逆転で2位に入った

「まだ2位になったという実感は湧いていないんですけど(シニア)GPの表彰台に初めて乗れたことはすごくうれしく思っています」

--家族や有人からの祝福は?

「『テレビで見たよ』と言われて、すごく家族や学校の人からも連絡きたのでうれしかったです」

-前日の会見で鍵山選手との関係について話があった。鍵山選手が優勝して刺激になったこと、反対にモチベーションが上がる部分は

「やっぱり練習の時から優真と一緒になることが最近結構、増えてきたので。練習の内容だったり、どういう練習してるのか見る機会だったり、がたくさんあったので、すごく刺激にもなりましたし。こうしたら僕もうまくなれるのかな、と思うこともたくさんあった。優真のまねをする、じゃないですけど、いい部分をどんどん取り入れていって、日本に帰ってからの練習とかでもそうですけど、もっと僕も、優真に追いつけるように頑張っていきたいなと思っています」

--どの競技でも同じだが、ライバル関係はお互いを高め合える。一方で焦りや危機感は

「まあ、少しは思ったりする時もあるんですけど、僕は逆に『自分も頑張ろう』となるので。逆に練習に対する情熱が上がってくるタイプなんで。はい」

--GPファイナル出場の可能性が残っている

「まあ、もし出られたらうれしいんですけど、まずはGPファイナルのことは考えずに、次は一番大事な全日本が迫っているので、そこでいい成績が残せるように。そこで今までやってきた全てを出せるように、そこに向けて頑張っていきたいなと思います」

--ジュニアGPファイナル王者が感じたシニアGPとの違いは

「ジュニアの時とは違って、もちろん、世界の本当にトップのスケーターと戦うことになるので。ジュニアとシニアでは緊張感もたぶん違うと思うので(ファイナルに)出られたら、の話ですけど、もし出られたら緊張しないようにしたいなと思っています」

--ジャンプが武器。全種類のトリプルを跳べるようになったのは

「いつだったかなあ。小4、小5くらいですかね。昔からジャンプが得意なのもあったんですけど、好きで、毎日、朝から晩までジャンプの練習しかしていなかったので(笑い)。それもあって、すごくジャンプの上達は早かったです」

--つかんだコツがあった?

「結構、独学で。こうやったらいけるんじゃないかって自分の好きなように跳んでいたんで、小さいころは。逆にそれが良かったかなって思っています」

--参考にした選手は

「特にジャンプ跳ぶときに『この人を参考に跳ぼう』というのは、小さいころからなかったです」

--「朝から晩までジャンプ」と。何が達成感になっていたのか

「もちろん最初は跳べないんですけど、跳べた時の達成感もそうですけどスッキリするというか。ただ単純にうれしくて、降りた時の達成感がうれしかったので、ずっと毎日練習していましたね」

--会見で「4回転ルッツを1日に3本」と話していた。必ず降りてから練習をやめている?

「必ず3回跳ぶってわけではないんですけど、でもだいたい朝練あって夜練がある日は朝1回、夜2回は絶対跳ぶって。まあ調子悪い日もあるので。でも、調子が悪い時とかでも1日1本は必ず! と決めて跳んでいます」