早大が明大との伝統の定期戦で3年ぶりに勝利し、逆転で2位を決めた。

勝ち点2差で追った相手を17-7で下し、6勝1敗の勝ち点28。定期戦の通算成績は55勝2分け40敗となった。1月の全国高校大会決勝を戦ったSH宮尾昌典(京都成章)が先制トライ、NO8佐藤健次(桐蔭学園)が試合の最優秀選手賞と1年生コンビが輝いた。明大は勝ち点26の3位。優勝した帝京大、4位慶大、5位日体大の5チームが全国大学選手権に進む。

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素早く起き、数的不利を防ぎ、タックルで止める。早大はその防御を忠実に繰り返し、明大を後退させた。3点リードの後半37分。自陣で得たボールを左へ展開し、一気の攻撃でWTB小泉怜史が左隅に飛び込んだ。CTB長田智希主将は故障で不在。引っ張った副将のプロップ小林賢太はベンチで泣いた。就任1年目の大田尾竜彦監督は「長田が不在の中、全員で補い合えた。選手を誇りに思う」と感傷に浸った。

その中心で1年生が輝いた。試合前、NO8佐藤は「アウェーだな」と客席で揺れる明大の小旗を見つめた。だが、キックオフの笛で人が変わる。何度もボールを前に運ぶと、4点を追う前半24分には味方のキックに反応したSH宮尾が逆転トライを挙げた。試合後の記者会見。佐藤は「ビッグマッチ。楽しもうと決めていた」とほほえんだ。佐藤、宮尾に挟まれて座った4年生FB河瀬諒介は「2人とも萎縮しない。1年生とは思えない」とうなずいた。

今季は全勝同士だった帝京大戦で22-29の痛い黒星。前節慶大戦は前半30点リードしていたが、最終的に7点差まで迫られた。課題を克服し、ルーキーの勢いを加えてつかんだ明大戦の白星。全国大学選手権は26日の準々決勝から登場し、明大、または昨季決勝で敗れた関西3位の天理大と再戦を控える。大田尾監督は「1秒1秒、やり切るだけ」と誓った。2季ぶりの日本一へ、全員の手で自信をつかみ取った。【松本航】

■最終順位

(1)帝京大 7勝、勝ち点32

(2)早大 6勝1敗 28

(3)明大 5勝2敗 26

(4)慶大 3勝4敗 16

(5)日体大 3勝4敗 15

(6)筑波大 3勝4敗 14

(7)青学大 1勝6敗 5

(8)立大 7敗 1

※帝京大は3年ぶり10度目の優勝