女子1000メートルは高木美帆(日体大職)が1分11秒83で優勝した。この種目では5年ぶりの通算2勝目。小平奈緒(相沢病院)は7位だった。

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氷に向かって叫び声をぶつけた。納得の1分11秒台。だが、顔を上げた瞬間、険しい表情を見せる。「ここまでタイムが出た」という歓喜と、2年前同じリンクで出した日本記録に「もうちょっと」という悔しさが同時に高木美を包んだ。

「今日はタイムよりも最初から攻めていくことが目標だった」。200メートルのラップタイムは全体7位も次の400メートルと最終ラップはともに全体1位。同種目で平昌五輪銀メダルの小平奈緒と同走も終始リードを保った。

10月下旬の全日本距離別選手権から「1000メートルがどうも行ききれず、納得できないレースが続いていた」。距離別では5連覇したもののタイムは自身の国内記録に1秒39及ばなかった。11月のW杯で1000メートルを2戦連続2位で終えた後、今大会までの10日間ほどを有効活用。「課題や体の使い方を見つめ直すことができた」と表情は明るい。

平昌五輪では1000メートルで銅、1500メートルで銀、女子団体追い抜きで金メダルを獲得するも個人種目での金はまだない。悲願達成へ好材料となるタイムと勝利にも「W杯と五輪は別物。今の結果は糧にすることはあっても、五輪の結果を保証するものではない」と冷静そのもの。

最終日の1500メートルへ「明日ももう1本しっかり攻めたい」と勢いづく。自身が2年前に同リンクでつくった世界記録、1分49秒83の更新にも期待が懸かる。