フィギュアスケート女子で全日本選手権2連覇中の紀平梨花(19=トヨタ自動車)が、22年北京五輪代表最終選考会となる今季の同選手権(22日開会式、23~26日、さいたまスーパーアリーナ)を欠場する意向を固めたことが20日、複数の関係者の話で分かった。右足首故障からの回復が間に合わなかった。

代表選考において同選手権への参加は必須で、初の五輪は絶望となる。男子は、五輪2連覇の羽生結弦(27=ANA)が出場する見通しであることが分かった。

    ◇    ◇    ◇

羽生が約8カ月ぶりに帰ってくる。先月中旬のGPシリーズNHK杯前に右足関節靱帯(じんたい)を損傷。同下旬のロシア杯も回避し「動きによっては痛みが出てしまいますが、日常生活では影響がなくなってきました。全力で頑張っています」とコメントしていた男子のエースが、今年4月の世界国別対抗戦以来となる演技を披露する意向を固めた。3連覇が懸かる五輪のシーズン初戦となる。

今季も新型コロナウイルス禍で拠点のカナダには戻らず、国内調整してきた。まだ北京を目指すか明言していないが、仮に全日本を欠場したとしても、救済措置対象の世界選手権で7度の表彰台を誇る。実績だけで男子3枠の五輪代表入りは有力だが、優勝すれば文句なしの代表権が確定する全日本に、ほかの候補選手と同様、出る決断をした。

関係者によると、たった1度のジャンプで痛めたという右足は順調に回復しており、氷に乗っての練習を11月半ばには再開している。4年前の平昌五輪前も同じく右足首を負傷。当時は全日本を欠場したが、代表入りし、ぶっつけ本番で五輪2連覇を遂げた。その前段階で復帰したことが状態の良さを物語っている。

出場すれば、焦点は世界初成功を目指すクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)挑戦に移る。国際スケート連盟(ISU)非公認の大会ながら、これまで幾度となく「最終目標」と公言してきた大技。試合に入れれば初めてのことになる。

昨年は自らの意思でGPシリーズを全休。320日ぶりの公式戦出場となった全日本で圧勝した。今年も結果はもちろん、大会後の発言が最注目。五輪を目指すか最終判断が下される。